4.2017、18年 | 学習支援編 – 少年との衝突と価値観の大転換


活動記録 4
2017、18年 | 学習支援編①

ある少年との衝突

この頃も引き続き「勉強ができるようになるにはどうしたらよいか」というテーマに取り組んでいた。勉強がイヤでどんよりと元気を失くしてしてしまう子どもをたくさん見てきたからだ。なんとか力になれないかと考えていた。

そんな時にある事件が起こった。

いつものように私たちが授業をはじめようとしていたところ、1人の子が学習用に置いてあったタブレットでゲームをやり続けていた。当時は授業料をいただいて運営していたこともあり非常に困惑した。周りの生徒たちも困っている様子。

本気と本気のぶつかり合い

「勉強しに来てるんじゃないの?」

聞いても応答はない。本気で熱中している。

私たちも本気で授業の準備をしてきた。しかし、この子も決して私たちを困らせようとしているわけでも、ふざけてるわけでもなく、本気なのだ。

この状況を理解するまでには時間がかかった。

この頃は「eスポーツ」という言葉もいまほど認知されておらずゲームに対する風当たりは強かった

科目の枠を撤廃宣言!

本気の中には何かある

この出来事を契機に「そこまでその子を本気にさせるものの中にはきっと何かがある」私たちはそう考えるようになった。理念が進化した瞬間だ。

早速、子どもたちの前で宣言した。

「これからは科目の枠を撤廃します。ここでは、勉強するのも、ゲームをするのも、絵を描くのも、すべて同じように価値があるものとして考えます」と。

喜ぶ子、困惑する子

この宣言以降、やりたいことが明確にあった子は嬉々としてそれに打ち込んだ。しかしながら、何をやったらわからずに困惑する子も少なくはなかった。

戸惑う後者に対しては、いままで通りの授業をおこなうも「本当にこれでいいんだろうか」という疑問が常に心に存在した。

「勉強」を本気でやっているわけではない

もし勉強を本気でやりたいのなら自ら学ぶはず。この子たちは本気で勉強をやりたくてやっているわけではない。それに気付かされそこに向き合わなければならなくなった時期でもあった。

勉強を終えた子がタブレットゲームをしている子にちょっかいを出す図。普通ならゲームをやっている子が「早く勉強しなさい」と怒られるところだが、ここでは「真剣にゲームをやってる子の邪魔するのをやめなさい」と叱られることになる

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